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彩磁記

戦時下の発展

第9回 “電波吸収剤” 〜戦時下の発明(その2)〜

昭和18年まで生産、販売していた蚊取線香や殺虫剤は、軍の命令による企業統合で、大日本除虫菊株式会社に生産が集約させられ、わが社は船底塗料用の弁柄と、光学兵器の研磨材の生産に絞られました。そのため、昭和18年12月、大阪支店、東京支店は廃止されました。そして翌年には、大阪の桜島にある太平弁柄製造工場を買収、弁柄の生産を拡大したのですが、爆撃により焼失してしまいました。続いて同年、わが社の工場は、軍需省管理工場となり、完全に軍の支配下におかれたのです。第二次世界大戦は、わが社にもこのような大きな影響を及ぼしていきました。

反面、戦争は発明を生み出しました。前述した研磨材と、電波吸収材です。
大戦中、同盟国のドイツの戦闘機が連合軍のイギリスへ爆撃に向かいました。しかし、どういうわけかドーバ海峡で発見され、撃ち落とされてしまいます。

昭和18年か19年に、イギリスはレーダー探知機なるものを発明していました。レーダー探知機は電波を発信し、それが物体にあたり、反射したものを受信することによって、敵機の位置や数を察知するのです。このレーダー探知機のおかげで、イギリスは敵国の戦闘機をキャッチし、攻撃を未然に防いだのです。

電波が反射されなければレーダーにキャッチされない―つまり、物体が電波を吸収してしまえばよいのでは、ということで、レーダー探知機に対抗するために発明されたのが電波吸収材でした。試行錯誤の末、電波を吸収する性質がマグネタイト(Fe3O4)にあることが呉工廠で発見され、広島高等工業の鈴木先生とわが社との電波吸収材の共同研究が始まったのです。

こうして完成された電波吸収材は、戦闘機に塗ったり、潜水艦に塗ったりして同盟国のため随分役立ちました。今日その電波吸収材は、電子レンジで加熱調理の際、照射する電磁波の漏洩防止に、またコンピュータなどの電子機器から生じる電磁波の吸収に利用されています。

戦後、マッカーサー元帥が厚木の飛行場に降り立ち、日本は連合国軍の占領地となりました。アメリカ軍が広島に進駐した際、世界初の電波吸収材の材料であるマグネタイトを大量に生産していたわが社に相当の興味を持ち、調査に来たとのことです。
かくして、終戦とともに、わが社の戦争時代も終わりを告げ、戦後の復興期へと歩みを進めることになります。

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