コア技術湿式合成法
溶液中で調整するため、均一性が高く反応性が良い合成が可能となります。
溶液中における反応条件(温度、pH、物質の濃度など)によって結晶核生成と粒子成長を調整することで、粒子の組成、サイズ、形状、粒度分布、表面構造などを制御することができます。
- 活用事例
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- ヘマタイト(α-Fe₂O₃)
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酸化鉄 用途 形状 粒状
種類 顔料
- 樹脂、インキ等の着色材料
特徴 - 色相
- 易分散性
- 純度
特徴 - 高着色
- 高耐候性
- ゲーサイト(α-FeO(OH))
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酸化鉄 用途 形状 針状
種類 触媒
- 燃焼炉等の燃焼助剤
- 低環境負荷型プラスチック製品
特徴 - 微粒子
- 分散性
特徴 - 助燃効果
- 排ガス中の一酸化炭素や塩化水素の低減
- マグネタイト(Fe₃O₄)
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酸化鉄 用途 形状 球状
種類 複写機/プリンター
- トナー材
- キャリア
特徴 - 電気特性
- 磁気特性
- 色特性(トナー材)
特徴 - 高画質
- 高耐久性

酸化鉄合成技術
戸田工業は創業(1823年)から酸化鉄を製造・販売しており、長い経験と歴史をもっています。この長年にわたって培った合成・製造技術により、特性をコントロールしたいろいろな種類の酸化鉄をラインアップしており、顔料、触媒、磁性材料、フェライト用原料、ブレーキ用材料等の幅広い用途で使用されています。
なお戸田工業では、粉体設計・粒子設計の重要な特性である「Type(組成)」、「Shape(形状)」、「Size(寸法)」、「Distribution(粒度分布)、「Surface(表面性)」を制御する技術をTSSDSコントロールと称しており、新たな開発においてもこの技術を継承しています。
さらにTSSDSコントロールに加え、酸化鉄粒子に無機材料や有機材料を表面処理する技術も有しており、ニーズに応じた複合化粒子の製造も可能です。
- 酸化鉄の特性一覧
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- α-FeO(OH)(ゲータイト)
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- 製品
- 開発品
- 1)BET法により測定。
- 2)吸油量は、粉砕条件により調整可能です。
下のテーブルはスクロールできます製品 開発品 形状 針状 紡錘状 針状 紡錘状 粒子径(μm) 0.10~0.17、0.60~0.70 0.05~0.07 0.06~0.10 0.005~0.05 比表面積 1)(m²/g) 100~150、15~20 110~140 150~190 120~280 真比重 約4.1 約4.1 約4.1 約4.1 吸油量 2)(ml/100g) 35~45 35~40 35~45 35~45 屈折率 2.33 2.33 2.33 2.33 色相 黄 黄 黄 黄 体積固有抵抗(Ω・cm) 10⁶~10⁷ 10⁶~10⁷ 10⁶~10⁷ 10⁶~10⁷ 帯電量(μC/g) 磁性の種類 反強磁性 反強磁性 反強磁性 反強磁性 - α-Fe₂O₃(ヘマタイト)
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- 製品
- 開発品
- 1)BET法により測定。
- 2)吸油量は、粉砕条件により調整可能です。
下のテーブルはスクロールできます製品 開発品 形状 粒状 針状 紡錘状 針状 紡錘状 粒子径(μm) 0.10~0.50 0.10~0.15 0.05~0.07 0.05~0.10 0.005~0.04 比表面積 1)(m²/g) 2.0~11 50~55 110~130 50~110 60~140 真比重 約5.2 約5.2 約5.2 約5.2 約5.2 吸油量 2)(ml/100g) 15~25 35~40 35~40 35~40 25~35 屈折率 3.01 3.01 3.01 3.01 3.01 色相 赤 赤 赤 赤 赤 体積固有抵抗(Ω・cm) 10⁶~10⁷ 10⁶~10⁷ 10⁶~10⁷ 10⁶~10⁷ 帯電量(μC/g) 約-5 磁性の種類 反強磁性(弱強磁性) 反強磁性(弱強磁性) 反強磁性(弱強磁性) 反強磁性(弱強磁性) 反強磁性(弱強磁性) - Fe₃O₄(マグネタイト)
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- 製品
- 開発品
- 1)BET法により測定。
- 2)吸油量は、粉砕条件により調整可能です。
下のテーブルはスクロールできます製品 開発品 形状 八面体 六面体 球状 八面体、六面体、球状、多面体、造粒体 粒子径(μm) 0.23~1.5 0.20 0.15~0.25 0.01~1.5 比表面積 1)(m²/g) 2.0~7.0 7.0 5.5~12 2.0~130 真比重 約5.2 約5.2 約5.2 約5.2 吸油量 2)(ml/100g) 15~30 16~20 16~20 12~35 屈折率 2.42 2.42 2.42 2.42 色相 黒 黒 黒 黒 体積固有抵抗(Ω・cm) 10¹~10² 10²~10⁴ 10³~10⁸ 10¹~10⁸ 帯電量(μC/g) 約-5 約-5 約-5~+10 約-20~+10 磁性の種類 フェリ磁性 フェリ磁性 フェリ磁性 フェリ磁性 - γ-Fe₂O₃(マグへマイト)
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- 開発品
- 1)BET法により測定。
- 2)吸油量は、粉砕条件により調整可能です。
開発品 形状 球状 粒子径(μm) 0.20 比表面積 1)(m²/g) 6.5 真比重 約5.2 吸油量 2)(ml/100g) 17~20 屈折率 色相 褐色 体積固有抵抗(Ω・cm) 10⁷ 帯電量(μC/g) 約-5 磁性の種類 フェリ磁性
- 酸化鉄の形状制御技術
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粒子設計におけるTSSDSコントロールの中で、「Shape(形状)」のコントロール例を下に示します。
戸田工業では鉄塩水溶液をアルカリで中和することによって種々の酸化鉄を製造しています。このように水溶液中で合成する方法は湿式合成法と呼ばれ、戸田工業のコアコンピタンスのひとつです。求められる機能や特性に合わせて湿式合成の条件を変更することにより、粒子形状を球状、八面体、針状などに制御します。 - 酸化鉄の粒子径制御技術
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粒子設計におけるTSSDSコントロールの中で、「Size(寸法)」のコントロール例を下に示します。
コアコンピタンスの湿式合成技術により、粒子径を0.005μm (5nm)~1.5μm (1500nm)程度の範囲内で制御することが可能です。粒子径アップ
粒子径ダウン
- 酸化鉄の磁気特性制御技術
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酸化鉄の中でFe₃O₄(マグネタイト)やγ-Fe₂O₃(マグヘマイト)の結晶構造はスピネル型で、大きな磁化を示します。代表的な磁気特性を下の表に示します。
粒子形状と粒子径をコントロールすることで磁気特性を制御することもできます。また、湿式合成に加え、熱処理技術を組み合わせることによって磁気特性を調整することも可能です。- Fe₃O₄(マグネタイト)
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製品 開発品 形状 八面体 六面体 球状 八面体、六面体、球状、多面体、造粒体 保磁力Hc(kA/m) 5.17~9.95 7.56 3.58~7.16 0.40~12.73 保磁力Hc(Oe) 65~125 95 45~90 5~160 残留磁化σr(A・m²/kg) 5.9~10.0 9.0 3.3~10.0 0.5~8.0 飽和磁化σs(A・m²/kg) 84.0~89.5 86.0 82.0~85.5 50.0~89.5 - γ-Fe₂O₃(マグへマイト)
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開発品 形状 球状 保磁力Hc(kA/m) 4.77 保磁力Hc(Oe) 60 残留磁化σr(A・m²/kg) 5.5 飽和磁化σs(A・m²/kg) 73.5 保磁力と飽和磁力の粒子径依存性
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