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平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。

当社グループ2024年3月期(2023年度)の事業概要についてご説明申し上げます。

2024年3月期における当社グループを取り巻く事業環境は、コロナ禍からの脱却による社会経済活動の正常化を背景に個人消費の持ち直しと雇用情勢の改善により、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、長期化するウクライナ情勢や中東地域を巡る地政学的リスクの高まり、各国での物価高騰に対する金融引き締め、中国経済の減速等、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。

こうした状況のもと、当社グループにおきましては、中期事業計画「Vision2023」の目標達成に向けて、各事業の成長及び拡大を図ってまいりました。また、収益改善の取組みとして製品価格の是正活動、継続的な原価低減活動及び諸経費の削減等も注力いたしました。

しかしながら、機能性顔料事業、電子素材事業ともに需要変動の影響を受けたこと及び前期において戸田聯合実業(浙江)有限公司の出資持分を譲渡したこと等により、当期の売上高及び営業利益は前期を下回りました。なお、前期の連結損益計算書に計上されている戸田聯合実業(浙江)有限公司の売上高は5,352百万円、営業利益は470百万円であります。

営業外収支においては、為替が円安に振れたこと等の利益を押し上げる要因はあったものの、持分法適用関連会社の収益が減少いたしました。また、特別損益において前期は戸田聯合実業(浙江)有限公司の出資持分を譲渡したことによる関係会社出資金売却益933百万円を計上した一方、当期は当社が保有する事業用資産及び共用資産等を減損処理したことによる減損損失4,869百万円を計上いたしました。

以上のことから、売上高は26,234百万円(前期比24.9%減)、営業利益は117百万円(前期比91.4%減)、経常利益は1,168百万円(前期比65.1%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は3,581百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益3,268百万円)となりました。

当期の配当につきましては、財務状況の改善は進んだものの継続的に安定配当を実施するための基盤の構築が完了していないことから、誠に遺憾ながら期末の配当については見送りとさせていただきます。また、速やかに復配できる体制を整え安定的に利益還元を行えるよう取り組んでまいります。

今後の当社グループを取り巻く事業環境においては、ウクライナ情勢や中東地域を巡る地政学的リスクの高まり、各国の金融引き締め継続による海外景気の下振れリスク、中国経済の減速等、当面は不透明な状況が続くものと予想されます。

当社グループにおきましては、マテリアリティで定めた2031年3月期(2030年度)のありたい姿の達成を目指し、2025年3月期(2024年度)から2027年3月期(2026年度)までの3か年を実行期間とする中期経営計画「Vision2026」を策定いたしました。当期間においては、事業ポートフォリオマネジメントを強化してまいります。選択と集中を加速するための①事業戦略、②財務戦略、③人財戦略を推し進め、計画の達成を目指してまいります。

こうした状況のもと、2025年3月期におきましては、引き続き原材料及びエネルギー価格は高水準で推移するものの、機能性顔料事業、電子素材事業ともに市場の需要は徐々に回復していくことが見込まれます。加えて、戸田イスCORPORATIONの連結子会社化は売上高及び営業利益の増加に寄与する見通しです。

以上のことから、2025年3月期の連結業績予想につきましては、売上高32,000百万円、営業利益700百万円、経常利益1,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益600百万円としております。

今後とも、より一層のご理解とご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

代表取締役社長執行役員
久保くぼ 恒晃つねあき